【重要】トレード手法を過去検証する方法をポイントと共に解説

「自分が使用しているトレード手法が全く機能していない気がする。」

「なんで自分のトレード手法は損ばかりしているのかが分からない。」

トレードを行っている人で、以上のような悩みを持っている人は多いのではないでしょうか。

ここで1つ質問をします。

あなたが使っているトレード手法は、「十分な過去検証を行った、信頼できるトレード手法」だと言えますか?

おそらく、この質問に「Yes」とはっきり答えられるトレーダーは少ないでしょう。

実際、多くの勝てないトレーダーには共通して「トレード手法の過去検証をしてない」という特徴があります。

また、過去検証をしたことがあっても、やり方が間違っているという場合もあります。

この記事では、現在勝てていないトレーダーに向けて、トレード手法を検証する方法について詳しく解説していきます。

  • 過去検証の目的とは?
  • 過去検証のやり方を4ステップで解説
  • 過去検証後にやることを3ステップで解説
  • 過去検証を行う際の3つのポイント
  • 過去検証でよくある失敗を3つ紹介
  • よくある質問

この記事を読めば、勝てないトレーダーから安定的に勝てるトレーダーになるための、道しるべを知ることができます。

過去検証の目的とは?

過去検証を行わない人の中には、

「過去検証は実際の資金を使っていないから、意味がない!」

と主張する人もいます。

しかしこれは、過去検証の本質や目的を大きく履き違えた主張です。

ここでは改めて過去検証の重要性を知っていただくために、以下の2つについて解説していきます。

  • 過去検証の目的とは?
  • 同じトレード手法を使い続けることが大切な理由

過去検証の目的とは?

過去検証の真の目的は、信頼して使い続けられるトレード手法を作ることです。

ネットやセミナーで学んだ他人のトレード手法で、連敗が続いたとき、

「本当にこのトレード手法で勝てるのか?」

「このトレード手法は本当にテストされたものなのか?」

以上のような疑問を持ってしまいませんか?

使用しているトレード手法への不信感は、トレードを正確に実行することへの妨げとなり、トレード成績の悪化を招きます。

一方で、自らが過去検証をして作り上げたトレード手法であれば、信頼して使い続けることができます。

トレードに自信を持つことの重要性

同じトレード手法を使い続けることが大切な理由

ではなぜ、同じトレード手法を信頼して使い続けることが大切なのでしょうか。

それは、トレード手法の持つ優位性*を最大限引き出すためには、数多くのトレードを重ねる必要があるからです。

*優位性があるとは、勝ちやすい状態にあるということです。

これを理解するためには、「大数の法則」について知っておく必要があります。

大数の法則

以下は大数の法則の定義です。

一見偶然に見える事象であっても、大量に観察されればその事象がある規則性をもって発生していることがわかります。この法則を「大数の法則」といいます。

引用: “大数の法則 | 用語集 | チューリッヒの自動車保険

例えば、コイントスで「表」と「裏」の出る確率はそれぞれ50%ですが、4回のコイントス全てで「表」が出ることもあります。

しかし、1000回や1万回コイントスを続ければ、自然に「表」と「裏」の出る確率が50%に収束していきます。

つまり、たとえ優位性のあるトレード手法であっても、たった数回のトレードだけでは負け数の方が多くなることがあります。

しかし、数十回から数百回とトレードを重ねていけば、大数の法則に則って、トレード手法本来の優位性が現れるということです。

以上をまとめると、

  • トレード手法の優位性を活かすためには、一貫したトレード手法が必要
  • 一貫してトレード手法を使い続けるためには、トレード手法への信頼が必要
  • トレード手法を深く信頼するためには、過去検証によるデータの裏付けが必要

ということになります。

過去検証のやり方を4ステップで解説

過去検証の目的や重要性が分かったところで、次は実際に過去検証のやり方について解説していきます。

  • ステップ①トレード手法の仮説を立てる
  • ステップ②過去チャートで検証を行う
  • ステップ③データを集計して改善点を洗い出す
  • ステップ④同じ期間の過去チャートで再び検証を行う

ステップ①トレード手法の仮説を立てる

まずは、過去検証の対象となるトレード手法を組み立てましょう。

ここで組み立てるトレード手法はただの「仮説」なので、検証してみたい手法を自由に設定してください。

ただしトレード手法には、

  • テクニカル分析
  • エントリー条件
  • 利用する時間足
  • 通貨ペア
  • 利確・損切りルール
  • 資金管理法

以上の要素を含むようにしましょう。

トレード手法の作り方は?検証を行う上での注意点も徹底解説

ステップ②過去チャートで検証を行う

トレード手法が決まったら、取引ツールのバックテスト機能やForex Traderなどの検証ツールを用いて、検証を行います。

検証期間はトレードスタイルによって異なりますが、十分な数のトレードサンプルを集めることのできる期間にしましょう。

参考までに、本記事の執筆者は1,000程度のトレードサンプルが集まるまで、過去検証を行っています。

ステップ③データを集計して改善点を洗い出す

定めた期間の過去検証が終わったら、検証データを集計します。

トレード手法の優劣を判断するには、

  • 合計トレード数
  • 合計勝ちトレード数
  • 合計負けトレード数
  • 勝率
  • 合計利益額
  • 利益率
  • 平均利益額
  • 平均損失額
  • 最大連続勝ちトレード数
  • 最大連続負けトレード数
  • リスクリワード比率*
  • 最大ドローダウン*

*リスクリワード比率とは、1回のトレード当たりの利益と損失の比率のこと。
*最大ドローダウンとは、口座残高が最大であった金額からの下落率のこと。

以上のデータを集計する必要があります。

検証ツールや取引ツールのバックテスト機能は、以上のデータを自動で集計してくれるので、有効活用しましょう。

検証データを見たうえで、

  • 勝率やリスクリワードが低すぎる
  • 利益率が低い
  • トレード回数が少なすぎる/多すぎる
  • 最大ドローダウンが極端に大きい

以上のような問題が見られた場合は、インジケーターの数値や、資金管理法の調整を行います。

手法よりも重要!トレードの資金管理方法を徹底解説!

ステップ④同じ期間の過去チャートで再び検証を行う

トレード手法の調整が終わったら、再び過去検証を行います。

ここで、先ほどとは別の期間で過去検証をしてしまうと、検証データを正しく比較できなくなってしまうので、必ず同じ期間を設定しましょう。

過去検証が終わったら、検証データを以前の検証データと見比べながら、トレード手法の評価を行います。

検証データを総合的に判断して、長期的に利用できるトレード手法であると確認できれば、過去検証を終了します。

過去検証後にやることを3ステップで解説

ここまで、過去検証のやり方について解説してきました。

しかし、過去検証が終わっても、トレード手法の検証はまだ続きます。

次に、過去検証後にやることを3ステップで解説していきます。

  • ステップ①過去検証通りにリアル相場でトレードを行う
  • ステップ②リアル運用のデータを集める
  • ステップ③過去検証とリアル運用の結果を比較する

ステップ①過去検証通りにリアル相場でトレードを行う

過去検証はあくまでも、過去のチャートにおけるパフォーマンスです。

いくら過去検証で良いパフォーマンスを見せても、現在の相場で通用しなければ意味がありません。

したがって次は、FX会社のデモ口座や少額のリアル口座で、トレード手法の検証を行います。

リアル相場での検証のことを、フォワードテスト(リアル運用)と呼ぶこともあります。

リアル運用では、必ず過去検証で用いたトレード手法を使用するようにしてください。

ステップ②リアル運用のデータを集める

リアル運用をする際は、過去検証の時と同様に、

  • 合計トレード数
  • 合計勝ちトレード数
  • 合計負けトレード数
  • 勝率
  • 合計利益額
  • 利益率
  • 平均利益額
  • 平均損失額
  • 最大連続勝ちトレード数
  • 最大連続負けトレード数
  • リスクリワード比率
  • 最大ドローダウン

以上のデータを収集しましょう。

ただし実際の相場には、過去検証では再現できない、

  • 常に変動しているスプレッド
  • 取引手数料
  • 突発的な値動き
  • スリッページ

が存在しており、必然的にトレード成績を悪化させてしまいます。

過去検証はあくまでも、理論上の話であることを覚えておきましょう。

ステップ③過去検証とリアル運用の結果を比較する

リアル運用のトレードサンプルが十分集まったら、過去検証の検証データと比較します。

特に、

  • 勝率
  • リスクリワード比率
  • 最大連続負けトレード
  • 最大ドローダウン

以上4つの検証データを重点的に比較しましょう。

トレードで重視するべきなのはリスクリワードと勝率のどっち?

過去検証に近い結果を得られた場合は、リアル口座に実際の運用資金を入金して、運用を本格的に開始します。

一方で、過去検証通りの結果が得られないこともあります。

例えば、過去検証時の最大連続負けトレードが「9連敗」であったのに対し、リアル運用での最大連続負けトレードが「15連敗」だったとします。

これは、トレード手法が現在の相場では機能しなくなってきていることを示唆しています。

この場合、直ちにリアル運用を中止して、再び過去検証を行う必要があります

以上が過去検証の後に行うべき作業です。

トレード手法の検証には、多くの時間と手間がかかるのです。

過去検証を行う際の3つのポイント

ここまで具体的な過去検証の方法について解説してきましたが、過去検証を行うに当たって、意識するべき3つのポイントがあります。

  • ポイント①機械的にトレードを行う
  • ポイント②1回の過去検証につき変更する条件は1つだけにする
  • ポイント③継続的に過去検証を行うようにする

これらのポイントを踏まえて過去検証を行なえば、より信頼度の高いトレード手法を作ることができます。

ポイント①機械的にトレードを行う

1つ目のポイントは、過去検証中は機械的にトレードを行うことです。

「機械的にトレードを行う」とは、検証中は全てのトレードが終わるまで、トレード手法のルールからは決して逸脱しないということです。

良い検証データを期待しながら過去検証を行うと、自分に都合の良いエントリーポイントだけをピックアップして、トレードするようになってしまいます。

それでは、正確な検証データが得られません。

過去検証が始まったら、目標のトレードサンプル数に届くまで、機械的にトレードを繰り返しましょう。

ポイント②1回の過去検証につき変更する条件は1つだけにする

2つ目のポイントは、過去検証でトレード手法の修正を行う場合は、変更点を1つに絞ることです。

過去検証を継続的に行っていると、修正点に関する様々なアイデアが浮かんできて、全てのアイデアを次の過去検証で試したくなります。

しかし、トレード手法を複数変更してしまうと、どの条件がトレード結果に影響をもたらしたのかが分からなくなってしまいます。

統計学の世界では、ある条件の効果を確かめるために、他のすべての条件を同じにすることを「対象試験(対照実験)」と言います。

試したいトレードアイデアが複数ある場合は、一つ一つ順番に確かめるようにしましょう。

ポイント③継続的に過去検証を行うようにする

3つ目のポイントは、継続的に過去検証を行うようにすることです。

過去検証を行う際は、1回で完璧なトレード手法を作ることを目指さずに、地道に自分なりのトレード手法を作っていきましょう。

検証は骨の折れる作業ですが、長期的に利益を挙げているトレーダーは欠かさずに行っています。

過去検証でよくある失敗を3つ紹介

ここでは過去検証でよくある失敗を3つ紹介していきます。

  • 失敗①形成済みの過去チャートでチャートパターンを確認するだけ
  • 失敗②過去検証の途中でトレード手法を修正してしまう
  • 失敗③大勝できるポイントでエントリーできるように手法を調整する

失敗①形成済みの過去チャートでチャートパターンを確認するだけ

1つ目によくある失敗は、形成された状態の過去チャートを展開し、そこに現れているチャートパターンを確認するだけで、過去検証をした気になってしまうことです。

「チャートパターンの確認 ≠ 過去検証」です。

  1. 過去のチャートから優位性のあるチャートパターンを確認する←ココ!
  2. 確認したチャートパターンに基づいてトレード手法の仮説を立てる(ステップ①)
  3. 過去検証を行う(ステップ②以降)

上記のように、チャートパターンの確認は前述した「ステップ①トレード手法の仮説を立てる」の前段階として行っておくべきことです。

過去チャートでチャートパターンを発見したら、そのチャートパターンをもとにトレード手法の仮説を立てて、過去検証を行ってみましょう。

失敗②過去検証の途中でトレード手法を修正してしまう

2つ目によくある失敗は、過去検証の途中でトレード手法を修正してしまうことです。

「このインジケーターの数値を変えれば、さっきのトレード機会に気付けた。」

「このテクニカル分析を使っていれば、損失を避けることができた。」

過去検証を行っていると、以上のようにトレード手法の改善点に気付くことがあります。

しかし、過去検証の途中でトレード手法を修正してしまうと、正確な検証データを得ることができません。

過去検証中は機械的なトレードを行うようにし、検証中に気付いたことは、メモに残しておくだけにしましょう。

失敗③大勝できるポイントでエントリーできるように手法を調整する

3つ目によくある失敗は、大勝できるエントリーポイントを先に見つけて、そこから逆算してトレード手法を調整してしまうことです。

チャートでは稀にかなり大きな値動きが発生することがあり、驚異的な利益を上げることができる、トレードチャンスがやってきます。

当然、このような大きなトレードチャンスでエントリーできるようなトレード手法を作ることは大事ですが、過剰最適化(カーブフィッティング)*を招く原因にもなります。

*過剰最適化とは、トレード手法が特定の時期の相場で、高成績を残せるように設計されていることを指します。

過剰最適化に陥ったトレード手法が、現在の相場で同様の成績を残すことは、ほとんど不可能です。

トレード手法を調整する場合は、逸失利益ばかりに注目するのではなく、より損失リスクを抑えられる方法を探りましょう。

ドローダウンとは?許容すべき目安や抑える方法を解説

よくある質問

ここでは、過去検証に関して、よくある質問に回答していきます。

  • 過去検証にオススメのツールは?
  • 過去検証はスマホアプリでもできるの?
  • 過去検証はスマホでもできるの?

過去検証にオススメのツールは?

検証ツールForexTester4/ForexTester5裁量トレード練習君プレミアム
値段¥31,999¥24,800
サポート英語日本語対応
対応OSWindowsWindows
お試し版なしあり
巻き戻し機能ありなし
URL公式サイト公式サイト

FXの過去検証にオススメなのは、

  • ForexTester4/ForexTester5
  • 裁量トレード練習君プレミアム

以上の2つです。

過去検証はスマホアプリでもできるの?

過去検証を行うことのできるスマホアプリは存在します。

中でも最もオススメなのが、「FX検証」というスマホアプリです。

160円の有料アプリで、2022年11月16日段階ではiOS版のみ販売されています。

手軽に過去検証を行いたい時には、スマホアプリでも問題ありません.

しかし、過去検証を本格的に行う際は、膨大な作業量が必要になるので、パソコンの分析ツールを利用することをオススメします。

過去検証にオススメの本は?

最後に本記事の執筆者がオススメする、「過去検証」に関する著書を紹介します。

  • ニュートレーダー×リッチトレーダー 完全プラス期待システム(スティーヴ・バーンズ 著)
  • ニュートレーダー×リッチトレーダー 株式投資の極上心得(スティーヴ・バーンズ 著)
  • システムトレード基本と原則(ブレント・ペンフォールド 著)
  • ゾーン最終章(マーク・ダグラス 著)
  • マーケットの魔術師 システムトレーダー編(アート・コリンズ 著)

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まとめ:過去検証こそが勝ち組トレーダーへの近道

ここまで、トレード手法を過去検証する方法について解説してきました。

本記事の要点は以下の3つです。

  • 過去検証の目的は、信頼して使い続けられるトレード手法を作ること
  • 過去検証だけでなく、現在のチャートでの検証も必要
  • 過去検証は継続的に行うことに意味がある

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