ナンピン買いとは?すべきタイミングや失敗しないためのルール作りを解説!
ナンピン買いとは、価格が下落した際に追加で同じ銘柄を購入することによって平均取得価格を下げる売買手法です。
「損切りをするかナンピン買いをするかどっちがいいのか?」
「ナンピン買いはなるべくやめた方がいいのか?」
「ナンピン買い」と聞くと上記のような疑問を持つ方も多いのではないでしょうか?
含み損から早く脱却できたり、うまくいけば大きな利益を狙えたりとナンピン買いにはメリットがあるものの、リスクやデメリットはメリットを上回ります。
ただし、タイミング次第では損切りをするよりもナンピン買いをする方が有効なケースもあります。
この記事では、ナンピン買いの基本や効果的なタイミング、ナンピンをするなら決めておきたいルールについて以下の項目で解説します。
- ナンピン買いとは?
- ナンピン買いをするメリット
- ナンピン買いをするデメリット
- 結局ナンピン買いをすることはダメなのか?
- ナンピン買いが効果的な3つのタイミング
- ナンピンができなかった場合の対処法も考えておく
- Fintokeiでナンピン買いをする際に決めおくべきルール
- ナンピン買いで失敗したくないならドルコスト平均法がおすすめ
- まとめ
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Fintokeiについては、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。
≫プロップファームFintokeiとは?おすすめする理由や始め方を紹介!
ナンピン買いとは?
ナンピン買いとは、保有している銘柄の価格が下落した際に、追加で同じ銘柄を購入することによって平均取得価格を下げる売買手法のことです。
たとえば株価1,000円で10株を購入した後、株価が800円に下落した場合を考えます。このタイミングでさらに10株をナンピン買いすると、平均取得価格は900円(=(1,000円×10株+800円×10株)÷20株)となります。
このようにナンピン買いをして平均取得単価を下げることによって、いち早く含み損を脱却する可能性へ期待することができます。
また、保有している銘柄の価格が上昇した際に追加で空売りをして平均取得価格を上昇させるナンピン買いの売りバージョンは、「ナンピン売り」と呼ばれます。
ナンピン買いは押し目買いとは違う
ナンピン買いと同じく、価格が下がったタイミングで銘柄を購入する売買手法に「押し目買い」がありますが、両者は以下の点が異なります。
- 銘柄を購入する目的
- 銘柄を購入する相場状況
- 銘柄保有時の損益状況
押し目買いは上昇トレンド中に、高値買いを避けてより有利な価格帯で銘柄を保有することを目的としています。
一方でナンピン買いは上昇トレンド、下落トレンド問わずに銘柄を買い下がる行為であり、利益を狙うよりも、含み損を脱却することを主な目的としているのです。
また、ナンピン買い時は損益がマイナスになっているのに対して、押し目買いは一般的に新規ポジションを保有、つまり損益が±0の状況で行うという点でも違います。
ナンピン買いと押し目買いの違いについては、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。
≫押し目買いとナンピン買いの違いや使い分けとは?Fintokeiのナンピンルールも解説!
ナンピン買いをするメリット
ナンピン買いをする最大のメリットは、平均取得単価を下げることで、トレードにおいて以下のような恩恵を受けられる点です。
- 含み損をいち早く解消できる可能性が高まる
- 価格が反発した場合に大きな利益を期待できる
含み損をいち早く解消できるだけでなく、もし価格が反発した場合に大きな利益を期待できる点もナンピン買いのメリットです。
たとえば1,000円で10株購入した後、株価が1,200円まで上昇することを待って得られる利益は2,000円(=(1,200円-1,000円)×10株)です。
一方で1,000円で10株購入した後、一時的に株価が800円まで下落したタイミングで10株ナンピン買いをした後に株価が1,200円まで上昇すると、利益は6,000円(=(1,200円-900円)×20株)となります。
取得単価を下げられる上に、保有銘柄数も増えるのでもし予想通りに価格が推移した場合は大きな利益を期待できるのです。
ナンピン買いをするデメリット
ナンピン買いにはメリットがある一方で、以下のようなデメリットもあります。
- 失敗すると含み損がさらに大きくなる
- 冷静な判断が難しくなる
- 証拠金不足で他の取引チャンスを逃してしまいがち
- 一部の業者では制限されていることがある
ナンピン買いはうまくいけば含み損をいち早く回復しつつ大きな利益を狙えるものの、価格が下落すると含み損はさらに大きくなります。
含み損がさらに大きくなると精神的な負担も増大し、冷静な判断が難しくなる点でナンピン買いは「ハイリスクハイリターン」の売買手法だと言えます。
また、含み損が拡大すれば証拠金不足で他の銘柄を取引できないという状況にも陥りがちです。
さらに一部の業者ではナンピン買いの方法が制限されているケースもあります。
たとえば、Fintokeiではナンピンは禁止されていないものの、マーチンゲール手法および積極的な価格の平均化は禁止されています。
このように、ナンピン買いには注意すべき点も多いのです。
結局ナンピン買いをすることはダメなのか?
ナンピン買いは一概に「ダメ」とは言い切れませんが、高度な資金管理スキルと計画性が求められる手法なので、特に初心者トレーダーは避けた方が無難です。
ナンピン買いは失敗した時のリスクが大きいので、万が一のリスクを考慮して、取引数量やどのような場合にナンピンをするのかを計画的に設定・調整しなければなりません。
また、ナンピン買いが癖になると、損切りをしなければならない場面での判断が遅れ、コツコツドカンを招きやすくなります。
「下手なナンピンはすかんぴん」という投資格言が示す通り、トレードスキルに自信がないトレーダーこそナンピンは避け、損切りをするべきなのです。
特に失敗しやすいのが無計画なナンピン買い
事前に計画をせずに、相場状況の流れに合わせて行うナンピンは特に失敗しやすいです。
たとえば、明らかに下落トレンドにある銘柄を「そのうち反発するだろう」という希望的観測だけで追加購入を繰り返す行為は、損失をさらに拡大させる典型的な失敗例です。
また「含み損から助かりたい」という感情から、取得単価を下げることだけを目的としたナンピン買いも危険です。
冷静さを欠いた状態でナンピンを行うと、損切りのタイミングを見失いやすくなり、たった1取引で思わぬ大きな損失を被る可能性があるので注意しなければなりません。
ナンピン買いがダメな理由については、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。
≫ナンピン買いはなぜダメなのか4つの理由を解説!ナンピンをやめるための対策方法も紹介
ナンピン買いが効果的な3つのタイミング
ナンピン買いはダメとは言われているものの、効果的なタイミングもあります。
ナンピン買いが効果的なタイミングとして、以下の3つを解説します。
- レンジ相場内に価格が収まっている
- ダウ理論におけるトレンドの定義が崩れていない
- 一時的に価格が急変動した場合
レンジ相場内に価格が収まっている
レンジ相場では売り買いの圧力が均衡しているため下落相場が続く可能性が低く、ナンピン買いの成功率が高まります。
たとえばレンジ相場の中央でポジションを保有してしまった場合、価格が止まる可能性が高いレンジの下限を目安にナンピン買いをします。
価格がランダムに推移しやすいレンジ相場ではむやみに損切りをすると損切り貧乏になりがちなので、ナンピン買いをした方が有効な場面が多いのです。
ダウ理論におけるトレンドの定義が崩れていない
順張りの買いエントリーをしたものの、少しエントリーが早く価格が一時的に下落してしまったという経験がある方もいるのではないでしょうか?
ダウ理論における上昇トレンドの定義が崩れていないのであれば、損切りをせずにナンピン買いをすることでさらに有利な価格帯でポジションを保有できる可能性を高められます。
ただし、トレンドの定義が崩れた場合は速やかに損切りを行いましょう。
エントリー後に一時的に価格が逆行した際には、すぐに損切りをするのではなく、トレンドが崩れていないのか冷静に判断することが重要です。
ダウ理論については、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。
≫ダウ理論だけで勝てる?勝てない場合の対処法やFintokeiで使えるトレード手法を解説!
一時的に価格が急変動した場合
ナンピン買いが効果的になるもう一つのタイミングは、一時的に価格が急変動した場合です。
たとえば、経済指標の発表や突発的なニュースで価格が急落した場合、その急落が本格的な下落トレンドにはつながらずに再び元の相場状況に戻るパターンがあります。
したがって、突発的に売られ過ぎたと判断できる状況では、反発を狙ったナンピン買いが成功しやすいのです。
ただし、急変動がトレンドの転換につながる可能性もあるので、反発の兆候を確認してからナンピンを行うのが安全です。
Fintokeiでナンピン買いをする際に決めおくべきルール
Fintokeiでナンピン買いをする際には、以下の4項目に関して事前にルール化しておきましょう。
- 最終的な損切り位置
- 取引数量
- ナンピンのタイミング
- ナンピン回数
最終的な損切り位置
ナンピン買いは必ず成功するとは限らないので、ナンピン後の最終的な損切り位置を事前に想定しておくことは必須です。
損切りのルールとして最も役に立つのは、トレンドが崩れているかいないかです。
上昇トレンドを見越しているのであれば、直近の押し安値を損切り位置として、ナンピン買いの計画を立てていくと良いでしょう。
予想外の損失を防ぐためにも、どの時点で損切りを行うかを明確にしておくことが重要です。
取引数量
ナンピン買いをする際は、初めにエントリーする取引数量や追加購入する取引数量を慎重に設定する必要があります。
たとえば、最初に多くの取引数量でエントリーしてしまうと、ナンピン買いをしてもなかなか取得単価を抑えられない、資金に余裕がなくそもそもナンピンができないといった状況になりがちです。
したがって、一度の取引における損失額をまず定めた上で、その金額を目安に取引数量を調整するようにしましょう。
たとえば、Fintokeiでは一度の取引における損失額を資金の1%以下に抑えておくと安定して取引が行えます。
したがって、初回の購入時は資金の0.5%、残りの0.5%をナンピンに回すといった方法が有効です。
ナンピンのタイミング
ナンピン買いの成功は、エントリータイミングに大きく左右されます。
相場が下落している最中に焦ってエントリーすると、さらなる価格下落で損失が拡大するリスクがあります。
したがって、相場が底値を付けた後に反発の兆しが見られた場合のみにナンピンをするようにしましょう。
ナンピン回数
ナンピン買いを繰り返しすぎると、損失が膨らみ資金が尽きる可能性があるので、ナンピンを行う回数に上限を設けることが必要です。
目安としては、ナンピンは2~3回までとし、それ以上の下落が発生した場合は損切りを選択するルールを設けるとリスク管理がしやすくなります。
ナンピンが4回を超えるとそもそも相場状況の認識が間違っているか、細かくナンピンをしすぎているかが原因だと考えられます。
ナンピンができなかった場合の対処法も考えておく
ナンピン前提で少ないポジションから取引を開始した場合、相場が想定外に上昇すると、ナンピンができずに利益が少なくなってしまいます。
ナンピン買いでは通常の損失額を想定したにもかかわらず、利益が少なくなってしまうとリスクリワードが悪化してしまうので、対処法を考えなければなりません。
ナンピンができなかった場合の対処法として、「追撃買い」を検討することが有効です。
ナンピンできなかった数量分、価格が上昇した後の押し目で購入することで多少取得単価は悪化するものの、想定通りの利益を狙うことができます。
予想外に価格が上昇してしまった場合は強いトレンドが発生していると考えられます。
したがって多少取得単価が悪化しても、より長くトレンドが続くと期待できるので問題はないでしょう。
ナンピン買いで失敗したくないならドルコスト平均法がおすすめ
ナンピン買いで失敗するリスクを回避したい場合、ドルコスト平均法を活用するのがおすすめです。
ドルコスト平均法では、ナンピン買いと違って価格が下落するしないにかかわらず銘柄を購入していきます。
ナンピン買いと違って、取引タイミングを見極める必要がないのでトレード経験がない初心者でも簡単に取り入れられます。
またナンピン買いでは、最初にエントリーをした取引数量をもとに追加購入する数量を考えがちであることがリスクを高めてしまう原因でもあります。
ドルコスト平均法では、固定の数量で購入を続けるので、過度にリスクが高まることを避けられるのです。
まとめ
この記事では、ナンピン買いの基本的な仕組みからメリット・デメリット、さらには失敗を避けるための方法について解説しました。
ナンピン買いにはメリットがあるものの、リスクも高いので無計画なナンピンは特に避けなければなりません。
ナンピン買いをする際はしっかりとルールを決めた上で、冷静な判断を保ちながら実行するようにしましょう。
またリスクを抑えつつ長期的な資産形成を目指したい方には、ナンピン買いでよりもドルコスト平均法がおすすめです。
相場状況や自身のトレードスタイル、資産状況に合わせて、ナンピン買いが必要であるのかを考えつつ取引に望んでみてください。