首吊り線とは?相場の天井を表す理由や成功確率を検証
ローソク足のパターン分析は相場分析の基礎でありながら、トレードで非常に役立つ売買シグナルとなります。
さまざまなローソク足のパターンの中でも、相場の天井を表す重要なパターンとして知られているのが「首吊り線」です。
「首吊り線はどのようなローソク足なのか?発生条件は?」
「首吊り線が発生した後の相場が下落する確率は?」
「首吊り線」と聞くと、上記のような疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
結論として、首吊り線は実体の2~3倍の下ヒゲをつけるローソク足の中でも、上昇トレンドの天井付近で発生するもののみを指します。
そして、2024年11月1日~2025年1月8日のドル円の4時間足においては、80%の確率で首吊り線が形成された後、相場価格は下落をしました。
本記事では、首吊り線の基本から、だましを見極める方法、さらにFintokeiでトレードに活かすコツに至るまで以下の5つの項目で詳しく解説します。
- 首吊り線とは相場の天井を表すローソク足のパターン
- 首吊り線にはだましが発生することもある
- 首吊り線を使ってトレードをする際のコツ
- 首吊り線と相性抜群のテクニカル指標
- 首吊り線を使ってFintokeiに挑戦する
- まとめ
首吊り線とは相場の天井を表すローソク足
首吊り線とは、以下のようにローソク足の下ヒゲが長いローソク足のパターンであり、上昇トレンドの転換、つまり相場の天井を示唆します。
なお、首吊り線と判断するためには以下の条件を満たす必要があります。
- 上昇トレンド終了の高値に現れること
- 下ヒゲの長さが実体と比べて明らかに長い(2倍〜3倍以上が目安)
- 上ヒゲが短いまたは全くないこと
首吊り線は、主に買いポジションの利益確定や空売りの売買シグナルとして活用されます。
首吊り線がなぜ弱気の売買シグナルになるのか
一般的には、ローソク足の下ヒゲが長いと買い圧力が強いと判断できますが、なぜ首吊り線はむしろ売りの売買シグナルになるのでしょうか?
それは、首吊り線が形成される過程とそれに伴うトレーダーの心理を考えると理解できます。
上ヒゲがある陰線の首吊り線が形成される過程は以下の通りです。
- 高値圏で始値が形成され、初めは上昇の兆しを見せる
- 上昇を見せるものの、売り圧力が強まり価格が大幅に下落
- 最終的には始値付近に価格が戻るものの上昇しきれずに終値が確定
高値圏で始値が形成されたことを確認して、順張りで買いポジションを保有するトレーダーによって、一時的に上昇の兆しが見えます。
しかし、高値圏で「そろそろ天井かもしれない」と判断したトレーダーによって、新規買いにポジションをぶつける形で利益確定の売りが入ります。
さらに高値圏での売りの強まりに反応し、空売りを仕掛けるトレーダーも現れて、価格が大幅に下落します。
価格が下がったことを確認して押し目買いを試みるトレーダーが出てくるものの、売り圧力に勝つことができなかった結果として形成されるのです。
上ヒゲがない場合はさらにシンプルです。
価格が大幅に下落したことを確認して押し目買いを試みるトレーダーが出てくるものの、売り圧力に勝つことができなかった結果、上ヒゲがない首吊り線が形成されます。
首吊り線とカラカサやたくり線の違い
首吊り線とたくり線、カラカサはほぼ同じ、下ヒゲの長いローソク足の形状をしていますがぞれぞれ意味が異なります。
それぞれの違いは以下の通りです。
種類 | 発生位置 | 売買シグナル |
首吊り線 | 高値圏 | 相場の天井 |
たくり線 | 安値圏 | 相場の底打ち |
カラカサ | 場所を問わない | – |
高値圏で現れるカラカサは「首吊り線」、安値圏で現れるカラカサは「たくり線」だと考えると分かりやすいでしょう。
首吊り線にはだましが発生することもある
首吊り線はトレンド転換を示すサインとして役立ちますが、「だまし」が発生することもあります。
たとえば、以下のチャートでは上昇トレンドの高値圏で首吊り線が発生したものの、さらに高値を超えて相場価格が上昇していることが分かります。
このように首吊り線の形成後であっても、相場は反転せずに上昇トレンドを継続することがある点には注意しましょう。
首吊り線の成功確率は約80%
首吊り線がだましで終わるのか、それともトレードで有効に機能するのか確率を実際に検証してみました。
検証条件は以下の通りです。
- エントリー条件:首吊り線が確定した後にエントリー
- 損切りの条件:エントリーした首吊り線の直近高値
- 利益確定の条件:損切りに対してリスクリワード比が2以上達成
- 調査対象:2024年11月1日~2025年1月8日(ドル円4時間足)
検証した結果、合計10回首吊り線が形成され、そのうち8回は利益確定、2回は損切りとなりました。
したがって、首吊り線の成功確率は80%と高く、トレードにおいて有効に機能する売買シグナルであることが分かります。
首吊り線のだましを見極めるための5つの条件
今回実際のチャートで首吊り線のだましを調べてみた結果、だましを見極めるためには以下5つの条件を確認することが重要であることが分かりました。
- 直前に大きな大陽線を形成していない
- 高値圏のレンジ、または緩やかな下落トレンド内で現れる
- 上髭がほとんどない
- 下髭が付近のローソク足の長さと比較してなるべく長い
- 連続して首吊り線が現れている
上記の他にも、陽線か陰線か、また出来高が伴っているかどうかも確認しておくとだましを見極められる確率をさらに高められるでしょう。
首吊り線を使ってトレードをする際のコツ
首吊り線を使ってトレードをする際のコツとして、以下の2点を解説します。
- 翌日のローソク足の確定も確認する
- 首吊り線の直近高値を損切り水準にする
翌日のローソク足の確定も確認する
首吊り線が発生した翌日の(次の)ローソク足の終値が、首吊り線の実体よりも下で決まると首吊り線が確定の合図です。
首吊り線における下ヒゲの形成過程の買い圧力の勢いで、そのまま上昇をするケースもあります。
そのようなだましを避けるためにも、翌日のローソク足の確定を確認してからエントリーをすると、より取引の安全性が高まるのです。
たとえば、以下のようなケースの場合、首吊り線形成後の大陰線を確認してから売りポジションを保有します。
大陰線が発生した後なのでエントリー位置が不利になると思う方もいるかもしれませんが、実際にはその不利が関係ないほど大きく下落をしていることが分かります。
相場の天井を捉えることができれば、このように多少建値が不利になってもそれ以上の利益を得ることができるのです。
「頭と尻尾はくれてやれ」という格言もある通り、安全性を重視したい場合は翌日の確定足を確認するようにしましょう。
首吊り線の直近高値を損切り水準にする
首吊り線の形成後、全く上昇することなく下落するのが綺麗な形なので、綺麗な形を想定するのであれば首吊り線の始値または終値を損切りの基準とすることができます。
しかし、実際には首吊り線の形成後、多少上昇を見せて下落するケースも多々あるのです。
したがって、首吊り線を基準にエントリーをする際は、多少上昇することを加味して、首吊り線が形成された直近の高値を基準にすると勝率を高められるでしょう。
首吊り線と相性抜群のテクニカル指標
首吊り線というシンプルなローソク足パターンは、テクニカル指標との組み合わせが相性が抜群です。
相性抜群のテクニカル指標として、以下が挙げられます。
- 水平線(サポレジ)
- オシレーター系インジケーター
- ダウ理論
相場で意識されているサポートラインやレジスタンスラインで相場の天井の目安を把握し、その付近で首吊り線が発生するとその信頼性は高まります。
相場における過熱感を判断できるオシレーター系インジケーターも同様です。
たとえば、首吊り線が発生したタイミングでRSIの値が買われすぎ水準である70%を上から下抜けると、首つり線とオシレーターがともに天井サインということになり信頼性が高まります。
RSIについては、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。
≫RSIの使い方や見方をわかりやすく解説!さらに使いこなすための2つの秘訣とは
さらにダウ理論は首吊り線の形成後、含み益を伸ばすことができるかどうか判断するために役立ちます。
首吊り線の形成後、ダウ理論が示す「高値と安値の切り下がり」という下落トレンドを形成すると、本格的な下落トレンドが発生したと判断することができるのです。
ダウ理論については、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。
≫ダウ理論だけで勝てる?勝てない場合の対処法やFintokeiで使えるトレード手法を解説!
首吊り線を使ってFintokeiに挑戦する
Fintokeiとは、個人トレーダーがプロトレーダーに挑戦する場を提供しているプロップファームです。
Fintokeiでは、デモ環境を使って仮想資金を運用していき、損失率を抑えつつ、一定以上の利益率を達成することでプロトレーダーになることができます。
Fintokei公認のプロトレーダーになると、デモ口座における取引利益額をもとにデータ提供料として報酬がトレーダーへ支払われます。
初期の取引資金や価格が異なる豊富なプランがFintokeiでは用意されており、最低1万円台からプロトレーダーへの挑戦を始められるのです。
今回紹介した首吊り線を活用した取引手法は、Fintokei公認のプロトレーダーになるために役立つでしょう。
また、動画の学習コンテンツが用意されていたり、ブログでトレードの基礎知識が学べたりとトレーダーへの教育に力を入れている点もFintokeiの強みです。
無料トライアルも実施していますので、ぜひFintokeiにご参加ください。
Fintokeiについては、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。
≫プロップファームFintokeiとは?おすすめする理由や始め方を紹介!
まとめ
この記事では、首吊り線の意味や特徴、実際のトレードにおける活用法、さらには「だまし」の見極め方までを詳しく解説しました。
首吊り線は相場の天井を示す重要なサインであり、高値圏での売買判断に役立つローソク足パターンであることが、実際の相場からも分かりました。
しかし、だましが発生する可能性もあるため、実際にトレードで活用する際は翌日のローソク足の確認や他のテクニカル指標との併用などの工夫が欠かせません。
首吊り線を理解し、トレードでの成功確率を高める第一歩を踏み出しましょう。