プロップファームとは?目的や仕組みメリット・デメリットを解説
「プロップファームって何?」
「プロップファームでトレードするメリットやデメリットって何?」
トレーダーの中には、知識や経験があるにもかかわらず、自己資金の不足が原因で、思うようなトレードができない方もいるのではないでしょうか。
そんな方には、プロップファームのトレーダーになるという選択肢があります。
しかし、多くの日本人にとってプロップファームという言葉は、聞き馴染みのない言葉だと思います。
そこでこの記事では、これからの日本でも注目を集めるであろう、プロップファームについて解説していきます。
- プロップファームの基本情報
- プロップファームでトレードする4つのメリット
- プロップファームでトレードする3つのデメリット
プロップファームの基本情報
ここでは、プロップファームの基本情報について解説していきます。
- プロップファームとは?
- プロップファームの目的
- プロップファームの仕組み
- プロップファームが対象としている市場
- プロップファームが注目されるようになった背景
プロップファームとは?
プロップファームとは、会社の自己資金を使ったディーリングを専門に行う金融会社のことを言います。
ディーリングを専門に行う点では、ヘッジファンドに似ています。しかし、プロップファームでは外部から資金を集めることはなく、あくまでも会社の内部資金だけが運用の対象です。
またプロップファームは、証券会社のような、顧客の注文を仲介するブローカレッジ業務は行いません。
プロップファームの目的
プロップファームの目的は、一般的なトレーダーと同様に、個人資金を運用によって大きくすることです。
ただし、個人よりもはるかに大きな金額を運用しており、ヘッジファンドなどの機関投資家に比べて、高いレバレッジをかけた積極的なトレードを行っていることも特徴です。
プロップファームの仕組み
プロップファームは会社を所有し、運用額を用意している経営者と、会社の資金を使ってトレードする「プロップトレーダー」から構成されています。
プロップトレーダーの個人資金を投資額に回すこともありますが、多くの場合プロップファームの資金のみを使用してトレードします。
プロップトレーダーは完全歩合制の下で、プロップファームと契約していることが多く、トレードの利益額に応じた報酬を受け取ることができます。
例えばトレード運用益の50%を報酬として受け取るプロップファームであれば、100万円の運用益に対しては、50万円の報酬が支払われます。
フィントケイでは、プロトレーダーデモ口座で利益の80%を基にデータ提供料として支払い申請いただく事が可能です。
プロップファームが対象としている市場
プロップファームは
- 株式
- 為替
- 商品先物
- 株価指数先物
- 債券
以上のような、様々な金融商品をトレードの対象としています。
プロップファームが注目されるようになった背景
プロップファームは、2008年のリーマンショックを受けた金融規制の強化をきっかけに、欧米を中心に注目されるようになったビジネスモデルです。
金融規制をうけて銀行などの金融機関では、トレードリスクを減らすために、ディーリングデスク部門を縮小すると共に、トレーダーの数を減らしていきました。
そこで、元銀行のディーラーやトレーダーがヘッドハンティングされて、組織されていったのがプロップファームです。
プロップファームでトレードする4つのメリット
ここではプロップファームでトレードする4つのメリットを解説していきます。
- メリット①:会社の資金を使ってトレードできる
- メリット②:運用益の一部を報酬として受け取ることができる
- メリット③:損失は会社が負担してくれる
- メリット④:他のトレーダーと知識を共有できる
メリット①:会社の資金を使ってトレードできる
プロップファームでは会社の資金を使ってトレードを行うため、個人の懐事情に関係なく、大口のトレードが可能です。
いくらトレードの知識や経験があっても、個人の少ない軍資金から生活費を安定的に稼げるようになるには、かなり長い期間が必要です。
また資金不足のトレーダーが大きな利益を狙うためには、ギャンブル的なトレード戦略を取らざるを得なくなり、結果的にトレーダーの寿命を縮めてしまいます。
プロップファームは、スキルはあるが資金がないトレーダーが活躍できる場所としても活用されています。
メリット②:運用益の一部を報酬として受け取ることができる
プロップファームでは、自分がプロップトレーダーとして稼いだ運用益の一部を報酬として受け取ることができます。
プロップファームのトレード資金は、個人が用意できるトレード資金よりもはるかに大きい金額なので、稼ぐことのできる運用益もその分大きくなります。
またプロップファームは完全歩合制なので、大きなトレンドに乗れた月には、サラリーマンの年収ほどの金額を報酬として受け取ることも可能です。
メリット③:損失は会社が負担してくれる
プロップファームでのトレードで出した損失は会社が負担してくれます。
多くの個人トレーダーは1回の大きな損が原因で、トレード自体を諦めてしまいます。しかしプロップファームであれば、トレードの損失は会社が背負うので、個人がトレードリスクを背負うことはありません。
加えて、プロップファームは徹底されたリスクマネジメントを採用しているため、トレーダーが危険なポジションを持つことを未然に防いでくれます。
個人でトレードする際にも、プロップファームの徹底的なリスク管理は、かなり参考になるでしょう。
メリット④:他のトレーダーと知識を共有できる
個人でトレードを行っている場合は、他のトレーダーと交流する機会はそこまで多くはありません。
しかしプロップファームに所属していれば、他のプロップトレーダーとトレードの知識を共有することができます。
トレードの経験が浅いうちは、経験豊富なベテランのプロップトレーダーからトレードのアドバイスを受けることができるので、大きな成長の機会になるといえます。
プロップファームでトレードする3つのデメリット
次に、プロップファームでトレードすることの3つのデメリットを解説していきます。
- デメリット①:完全歩合制なので無報酬のこともある
- デメリット②:最初からリアル口座でトレードできるわけではない
- デメリット③:自由なトレードはできない
デメリット①:完全歩合制なので無報酬のこともある
前述のようにプロップファームの報酬は完全歩合制なので、トレードで収益を上げられなければ、無報酬ということもあり得ます。
また、プロップファームによっては、一定以上の成績を納めることができなかった場合は、契約が打ち切られることもあります。
したがって、プロップトレーダーは高額な報酬を得ることができる一方で、継続して利益獲得ができるよう、常に自分自身の取引マネジメントが求められます。
デメリット②:最初からリアル口座でトレードできるわけではない
プロップファームでは個人では考えられない程大きなサイズのトレードをすることが可能ですが、最初からリアル口座でトレードできるわけではありません。
リアル口座でのトレードが認められるためには、一定期間の研修やデモ口座でのトレードを経験する必要があります。
トレーダーとしての実力が認められていない間は、リアル口座でのトレードが許されないので、無報酬になってしまうことを覚悟しておく必要があります。
デメリット③:自由なトレードはできない
プロップファームごとにトレードや資金管理のルールが定められている場合は、必ず守る必要があります。
プロップファームで運用するのが会社の資金である以上、個人の勝手な判断でトレードを行うことは許されません。
プロップファームのルールに違反した場合は、リアル口座での運用を一時的に禁止されるか、契約が打ち切られてしまいます。
まとめ
ここまでプロップファームについて解説してきました。
この記事の要点は以下の4つです。
- プロップファームとは、自己資金のみでトレードを行う会社のこと
- プロップトレーダーは完全歩合制で、運用益の一部を報酬として受け取ることができる
- プロップトレーダーは、トレードで損失を出しても会社が負担してくれるが、無報酬になることがある
- プロップファームは、トレードを学ぶ環境として最適である