ストキャスティクスの設定におすすめはある?1分足、5分足向きの設定も紹介!
ストキャスティクス(Stochastics)とは、一定期間の高値・安値を基準として相場における買われすぎや売られすぎを判断できるオシレーター系インジケーターです。
ストキャスティクスでは大きく3つの要素を設定できますが、どの期間の高値・安値を基準とするのか、その設定値を決めることが重要です。
「ストキャスティクスの設定におすすめはあるのか?」
「相場状況に合わせて設定を変更した方がいいのか?」
ストキャスティクスの設定と聞くと、上記のような疑問を持つ方も多いのではないでしょうか?
結論として、「9、3、3」というデフォルト設定をまず使うのがおすすめです。
この記事ではストキャスティクスの設定について、以下の9つの項目で詳しく解説します。
- ストキャスティクスとは?
- ストキャスティクスでは何を設定する?
- ストキャスティクスの最強設定とは?
- トレードスタイル別ストキャスティクスのおすすめの設定
- ストキャスティクスと他のインジケーターを組み合わせた時のおすすめ設定
- ストキャスティクスとRSIの違い
- ストキャスティクスを設定する際の注意点
- ストキャスティクスを使ってFintokeiに挑戦する
- まとめ
ストキャスティクスとは?
ストキャスティクス(Stochastics)とは、相場の過熱感や転換点を捉えるために用いられるオシレーター系インジケーターの一つです。
価格の終値が一定期間の高値・安値のレンジ内でどの位置にあるかを示しているというのがストキャスティクスの基本的な仕組みです。
ストキャスティクスの構成要素は以下の3つです。
- %Kライン:過去のレンジ範囲から現在の価格の割高・割安を図る
- %Dライン:%Kラインの単純移動平均線
- SDライン:%Dラインの単純移動平均線
そして%Kラインと%Dラインを組み合わせたものを「ファーストストキャスティクス」、%DラインとSDラインを組み合わせたものを「スローストキャスティクス」と呼びます。
ストキャスティクスでは何を設定する?
ストキャスティクスでは何を設定するのかを理解するために、ストキャスティクスを構成する3つの要素である%Kライン、%Dライン、SDラインについて詳しく見ていきましょう。
%Kライン
%Kラインは、過去N日間における最高値と最安値の差を基準として、当日の終値がどの位置にあるかを、以下の計算式で示します。
%Kの値が0%に近ければ価格が過去のレンジの安値に近く(割安)、100%に近ければ高値に近い(割高)ことを意味します。
計算式にある「Nの期間」を設定することで、%Kラインを調整可能です。なおデフォルトでは「N=9」に設定されているケースが多いです。
デフォルト設定の場合、過去9日間の最安値と最高値の範囲内で、当日の終値がどの位置にあるかを表示することになります。
%Dライン
%Dラインは、%Kラインの単純移動平均線であり、どの期間で平均値を計算するのかを設定可能です。
デフォルトでは3期間の平均値が計算されているケースが多いです。
3期間に設定し、%Kラインが過去3期間で70%、60%、80%だった場合、%Dラインの値は(70%+ 60%+ 80%)÷3=70%となります。
SDライン
SDライン(スロー%Dライン)は、%Dラインの単純移動平均線であり、%Dラインと同様にどの期間で平均値を計算するのかを設定できます。
デフォルトでは3期間に設定されているケースが多いです。
%Dラインをさらに平均化しているため、SDラインはより滑らかなラインとなります。
したがって%DラインとSDラインの2本で構成されているスローストキャスティクスは、ファーストストキャスティクスと比べて価格への反応速度が遅いです。
ストキャスティクスの最強設定とは?
ストキャスティクスの最強設定は、デフォルトで用いられている「9(%Kライン)、3(%Dライン)、3(SDライン)」です。
なぜなら多くのトレーダーがデフォルト設定を使っているからです。
多くのトレーダーが活用している設定を使うことで、どのシグナルを基準に売買を行っているのか、または行おうとしているのかなどトレーダーの心理も読み取れるようになります。
また短い時間軸から長い時間軸まで幅広く使用することが出来る、汎用性の高さも理由の1つです。
「30、10、10」という設定もおすすめ
デフォルト設定以外にも「30(%Kライン)、10(%Dライン)、10(SDライン)」という設定もおすすめです。
デフォルト設定よりも期間設定をさらに長くすることで、長期間にわたるトレンドを安定して追い続けることができるようになります。
また短期的なノイズや急な価格変動によるダマシのシグナルを回避しやすくなるので、価格変動が激しい相場で有効です。
ただし市場の転換点を捉えるのが難しくなる可能性があるため、スイングトレードのような比較的長い時間軸での取引を行う場合に適しています。
トレードスタイル別ストキャスティクスのおすすめの設定
自分のトレードスタイルに合わせた設定の最適化をしてみたいという人に向けて、以下のトレードスタイルごとのおすすめ設定を紹介します。
- 1分足、5分足(短期トレード向け)設定
- 15分足、1時間足(デイトレード向け)設定
- 日足、週足(スイングトレード向け)設定
1分足、5分足(短期トレード向け)設定
短期トレード、特にスキャルピングではストキャスティクスの反応速度が重要になります。
したがって、短期的な価格変動を素早く捉えるために、デフォルトよりも少し短めにした「5、3、3」という設定がおすすめです。
%DラインやSDラインの計算もととなっている%Kラインの設定を短くすることで、ストキャスティクス全体がより価格に敏感に反応するようになります。
15分足、1時間足(デイトレード向け)設定
デイトレードでは、比較的中期的なトレンドを捉えつつ、急な相場の変動にも対応することが求められます。
したがって、バランスがよく、デフォルトで用いられる「9、3、3」や「14、3、3」という設定がおすすめです。
短期トレード向けの設定ほど価格に対して敏感ではないので、多少のノイズを抑えつつ、確度の高い売買シグナルを狙えます。
日足、週足(スイングトレード向け)設定
スイングトレードやポジショントレードでは、相場の大きな流れを捉えることが重要です。
したがって、短期的なノイズを抑えてより安定したシグナルを出してくれる「21、3、3」や先述した「30、10、10」がおすすめです。
価格への反応が遅くなるため、急激な相場の変動には対応しづらくなりますが、長期間のトレンドを追い続けるためには有効です。
ストキャスティクスと他のインジケーターを組み合わせた時のおすすめ設定
ストキャスティクスを他のテクニカルインジケーターと組み合わせるケースも多々あります。
ストキャスティクスをインジケーターと組み合わせる際に、それぞれどのような設定をすればいいのかみていきましょう。
ストキャスティクスと移動平均線の組み合わせ
ストキャスティクスと移動平均線を組み合わせる際のおすすめ設定は、ストキャスティクス「5、3、3」、移動平均線「50、200」です。
移動平均線の設定は、トレンドの方向を捉えるための基本的な設定です。
そこでストキャスティクスはトレンドの変化を素早く捉えられるために使うので、「5、3、3」と少し短期向けに設定します。
移動平均線によって長期的なトレンドの方向を掴み、ストキャスティクスによって短期的なトレンドを捉えてエントリーやエグジットのタイミングを見極めることができます。
移動平均線の最強設定については、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。
≫移動平均線のおすすめ設定を取引スタイル・手法別に紹介!注意点も解説
ストキャスティクスとボリンジャーバンドの組み合わせ
ストキャスティクスとボリンジャーバンドを組み合わせる際のおすすめ設定は、ストキャスティクス「9、3、3」、ボリンジャーバンド「20、標準偏差2」です。
ストキャスティクスとボリンジャーバンドはどちらも相場の過熱感を判断できるインジケーターです。
ストキャスティクスとボリンジャーバンドともにデフォルト設定にすることで、特別な設定に変更しなくとも取引精度を高められます。
ボリンジャーバンドの設定については、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。
≫ボリンジャーバンドの期間設定は「20」がおすすめ?期間設定時のポイントを解説
ストキャスティクスとRSIの違い
ストキャスティクスとRSIは、どちらも相場の過熱感を判断できるオシレーター系インジケーターです。
しかしRSIは一定期間における価格の上昇幅と下落幅の比率から相場の過熱感を表示している点で、ストキャスティクスとは計算方法や仕組みが異なります。
RSIの計算式については、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。
≫【初心者必見】RCIの計算式をわかりやすく解説!RSIとの違いも紹介
以下は、ストキャスティクス(上)とRSI(下)をどちらもデフォルト設定で表示した画像です。
ストキャスティクスとRSIが同じく割高・割安を示している場面はあるものの、ストキャスティクスの方が売買シグナルが多いことが分かります。
どちらが良い悪いとは言えないものの、ストキャスティクスの方が売買シグナルが多くなる点は抑えておきましょう。
ストキャスティクスを設定する際の注意点
ストキャスティクスを設定する際は、以下2点に注意しましょう。
- バックテストの重要性
- 頻繁な設定変更は避ける
バックテストの重要性
ストキャスティクスの設定を自分の取引スタイルに合わせてカスタマイズする際、過去のデータに基づいてバックテストを行うことが重要です。
バックテストを事前に行うことで、実際の取引でいきなり損失を出してしまうといった状況を避けられます。
ただし、バックテストを行う際は過去の相場に過剰に最適化されてしまわないかにも気を付けましょう。
頻繁な設定変更は避ける
市場の状況に応じて設定を調整することは大切ですが、頻繁に設定を変更することはあまりおすすめできません。
設定を頻繁に変更すると、シグナルが乱れ、トレード戦略が一貫しなくなる恐れがあります。
設定を固定し、一定の期間使用することで、相場の一貫した反応を観察し、シグナルの信頼性を高めることができます。
ストキャスティクスを使ってFintokeiに挑戦する
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Fintokeiについては、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。
まとめ
ストキャスティクスの設定について、最強設定から、トレードスタイル別またインジケーターと組み合わせた際の設定に至るまで詳しく解説しました。
ストキャスティクスはデフォルト設定を使うことが原則としておすすめです。
ただし設定次第で取引結果が変わることがあるので、トレードスタイルやインジケーターと組み合わせた際の設定も事前に検討しておくと取引戦略の幅がさらに広がるでしょう。
ストキャスティクスを使いこなして、さらにトレード成績を向上させたい方は、この記事で紹介した設定や組み合わせをぜひ活用してみてください。