トレーダーが陥りがちなポジポジ病の原因や対策を解説
多くのトレーダーはトレード手法のみに注目し、メンタル管理については疎かにしてしまいがちです。
メンタル管理ができていないトレーダーは、トレードに対するストレスが生まれやすく、結果的に長期的に利益を上げていくことが難しくなってしまいます。
この記事では、特に初心者のトレーダーが陥りがちな「ポジポジ病」について、その原因や対策について解説していきます。
- ポジポジ病がトレードに及ぼす悪影響
- ポジポジ病になってしまう原因
- ポジポジ病の4つの対策
ポジポジ病がトレードに及ぼす悪影響
ポジポジ病とは「ポジション」の頭文字を取った造語であり、トレードにおいてポジションを持っていないと落ち着かない心理状態になってしまっていることを指しています。
ポジポジ病に陥ってしまったトレーダーは、すべての値動きがトレードチャンスに見えてしまい、優位性のないポイントでもエントリーを行ってしまいます。
多くのトレーダーがポジポジ病を経験しており、優位性のないトレードを続けてしまうことで、余計な損失が膨らんでしまい、早々に相場から退場することになってしまいます。
ポジポジ病の厄介な点
ポジポジ病の厄介な点は、自分ではポジポジ病に陥っていることを認識しにくいことです。
ポジポジ病に陥っている本人は、「トレードチャンスを最大限活用している」と思い込んでおり、トレード回数が多いことを正当化してしまいます。
ポジポジ病は初心者に限ったことなのか
ポジポジ病は初心者に発症しやすい症状です。
しかし、ある程度経験を積んだトレーダーであっても、メンタル状態が悪化することで、ポジポジ病に陥ってしまうことがあるため、注意が必要です。
タジタジ病にも注意
ポジポジ病とは反対に、トレードに対して慎重になりすぎることで、トレードチャンスに正しいエントリーをすることができない症状を、タジタジ病といいます。
リスクを取らなければリターンを得ることができないのは、トレードの原則です。トレードに慎重になりすぎると、トレード手法が本来持っている優位性を活かせなくなります。
ポジポジ病になってしまう原因
では次にポジポジ病になってしまう原因について深堀していきましょう。
ポジポジ病の原因としては以下の4つが考えられます。
- トレードルールが決まっていないから
- 連敗していて焦ってしまうから
- 早く利益を出したいと思っているから
- 自分のトレード技術を過信しているから
トレードルールが決まっていないから
1つ目の原因は、自分が使用するトレードルールが決まっていないことです。
トレードルールが決まっていなければ、適切なタイミングでトレードを行うことは難しくなってしまいます。
トレードルールを決めていないトレーダーの言い分として、
「トレードルールを決めていなくても、その場でトレードできる」
「トレードルールがあると、柔軟なトレードを行うことができない」
以上のようなものが挙げられます。
しかし成功したトレーダーは例外なく、自分のトレード手法を持っているものです。
なぜなら彼らは、トレード手法を持たずに相場に挑むことの無謀さを知っているからです。
トレードルールを持たずにトレードを行うことは、泳ぎ方を知らずに大海に身を投げ込むのと同義といえます。
当然海では、泳ぎ方を知らなければ生き残るのは難しいです。
また、泳ぎ方を知っていたとしても、海の状態を注意深く観察しなければなりません。
海が大しけの日に一生懸命泳いでも、全く進むことができない上に、じきに体力が尽きて溺れてしまいます。
相場でも同様で、トレードルールを持っていない人はすぐに退場することになりますし、どんな相場にも手を付けてしまうポジポジ病のトレーダーは、すぐに資金を使い果たしてしまいます。
連敗していて焦ってしまうから
2つ目の原因は、負が連続していて焦ってしまうからです。
トレードではよく負けトレードが連続することがあります。
ベテランのトレーダーであれば、トレードで連敗することは日常茶飯事として受け止め、冷静に次のトレードチャンスを待つことができます。
しかし、初心者のトレーダーは負けを重ねていることに我慢ができず、いち早くトレードで勝って安心したいと思ってしまいます。
ここでベテラントレーダーと初心者トレーダーの大きな違いは、トレードにおける勝敗をどれだけ重視しているかです。
ベテラントレーダーにとって勝敗はさほど重要ではなく、最終的に「利益が出る」ことを目標としています。
一方で初心者トレーダーはトレードで「勝つ」ことを目標としており、最も重要であるはずの「利益を出す」という目的を忘れてしまっています。
それゆえ、リスクがあるにもかかわらず計画性のないトレードを行ってしまい、ポジポジ病に陥ってしまうのです。
早く利益を出したいと思っているから
3つ目の原因は、早く利益を出したいと思っているからです。
トレードでは、クリック一つで注文を出し、クリック一つで決済できることから、少ない手間かつ短期間で利益を出すことができます。
そのことから、なるべく早く利益を出したいと望むトレーダーは、やみくもにトレードを行い、ポジポジ病に陥ってしまいます。
皮肉にも、トレードでは「稼ぎたい」という姿勢が前面に出すぎると、失敗しやすくなります。
トレードでは利益出すこと以上に、損失を抑えることが大切であることを心得ましょう。
≫トレードにおけるリスクリワードの重要性|計算方法や理想の値
自分のトレード技術を過信しているから
4つ目の原因は、自分のトレード技術を過信しているからです。
ポジポジ病は初心者だけではなく、ある程度トレード経験を積んだ中級者トレーダーにもよく発症します。
自分のトレード手法を過信しているあまり、すべてのトレードで勝てるという思い込みをしてしまい、客観的に見れば優位性のないトレードであっても、エントリーを行ってしまいます。
経験を積んだトレーダーであっても、トレードルールを無視したトレードを行えば、トレード成績が悪化してしまうのは必然です。
≫トレードで成功する秘訣はトレードルールを守ること|それでも守れない原因は?
ポジポジ病の4つの対策
では最後に、ポジポジ病にならないための対策について解説していきます。
- 自分のトレードルールを確立する
- チャートに張り付かないようにする
- トレード日記を書く
- トレードの管理を外部に依頼する
自分のトレードルールを確立する
まずは自分のトレードルールを確立することです。
トレードルールは、「トレード手法」と「資金管理」の2つから構成されます。
トレード手法を考える際は、以下の項目にすべて回答できるように設計することをオススメします。
- どのテクニカル分析を使うか
- そのテクニカル分析のエッジはどこにあるか
- エントリー条件
- 決済条件
- トレードに使用する時間足は?
- トレードの期待値はいくつか
資金管理を考える際は、以下の項目にすべて回答できるように設計することをオススメします。
- 1トレード当たりのリスク額の求め方は?
- 連勝や連敗に合わせてポジションサイズを変更するか
- 最大ドローダウンは許容できる範囲か
また、自身のトレードルールをリアル相場で使用する前には、必ず過去の相場で検証を行っておくべきです。
十分な期間と回数の検証で、優位性があると確認されたトレードルールのみをしようするようにしましょう。
チャートに張り付かないようにする
常にチャートを展開し、チャート画面に張り付かないように工夫することも、対策の一つです。
チャートを見つめていると、すべての値動きがエントリーチャンスに見えてしまい、ついポジションを取ってしまいたくなります。
しかし、自分がエントリーしたときには値動きの勢いは失われており、結局は不利なポジションになってしまったという経験は誰しもあるのではないでしょうか。
そこで、自分が狙っているトレードチャンスが巡ってくるまでは、なるべくチャートを見ないように工夫することをオススメします。
チャートを見ていない間に、トレードルールで定めたエントリーポイントを見逃してしまうのが怖い場合は、
- IFD注文(新規注文と決済の指値注文を同時に発注)
- OCO注文(決済の指値注文と損切りの逆指値注文を同時に発注)
- IFO注文(新規注文、決済の指値注文、損切りの逆指値注文を同時に発注)
以上のような注文方法を活用しましょう。
また取引ツールには、アラート機能があるので、相場監視用のシグナルとして活用してみましょう。
トレード日記を書く
トレード日記を書くこともポジポジ病の対策になります。
トレード日記とは、自分が行ったトレード内容を詳細に記録したものであり、以下のような項目を記述することが一般的です。
- トレード日時
- トレード通貨ペア
- トレードした根拠
- トレード中の心理状態
- 反省点
以上のようなことを記述する手間が生まれることによって、ポジションを取る前にいちど冷静になる時間を設けることができます。
またトレード日記は、自身がトレードしている間の心理状態の変化などを、後ほど振り返ることができるので、今後のメンタル管理に活用できる貴重なデータとなります
トレード日記を記載する媒体としては、ノートなどの紙媒体を使っても良いですし、ブログのような形でオンライン上で公開しても良いでしょう。
トレードの管理を外部に依頼する
自身のトレードを監督してくれるような外部機関を見つけて、トレードの管理をしてもらうことも、ポジポジ病の対策になります。
実際に多くの成功したトレーダーは、自分のトレードを管理してくれるメンターを見つけることを強く推奨しています。
例えば、プロップファームでプロップトレーダーとしてトレードを行えば、会社が徹底的なリスク管理を行ってくれるので、ポジポジ病を未然に防ぐことができます。
その上プロップファームでは、個人では実現が難しいほどの資金規模でトレードを行うことができるので、専業トレーダーとして生活することも可能になります。
Fintokeiではプロトレーダーとなるための評価プロセスを提供しています。
そしてプロトレーダーとなった場合には、デモ口座での取引利益額を基に一定割合の報酬が支払われます。
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まとめ
ここまで、ポジポジ病の原因や対策について解説してきました。
本記事の要点は以下の3つです。
- ポジポジ病に陥ると、優位性のないポイントでもトレードをしてしまい、相場で長期的に生き残りにくくなる
- ポジポジ病にならないためには、自分のトレードルールを確立し、遵守することが大切
- 自分の意志でポジポジ病を対策するのが難しい場合は、メンターを探すのも一つの手