テクニカル分析は後付け理論で意味がないのか?理由や活用方法を徹底解説

テクニカル分析とは、チャート上の過去の価格情報から、将来の相場動向を予測する相場分析方法であり、初心者から経験者まで多くのトレーダーに活用されています。

しかし、知恵袋などの質問サイト上やSNS上で「テクニカル分析は意味がない」という意見が多く見られます。

「テクニカル分析は本当に役に立たないのか?」

「どうして意味がない、あてにならないと言われるのか」

テクニカル分析には意味がないという意見を聞くと上記のような疑問を持つ方も多いのではないでしょうか?

結論として、テクニカル分析は、正しく利用できると非常に有効な相場分析方法です

この記事ではテクニカル分析について、どうして意味がないといわれるのか、その理由と活用するメリット、実際の活用法について、以下の5つの項目で詳しく解説していきます。

  • そもそもテクニカル分析とは?
  • テクニカル分析が意味がないといわれる4つの理由
  • テクニカル分析を活用する4つのメリット
  • テクニカル分析は意味がないのか?役に立つのか?
  • テクニカル分析の活用法3選

そもそもテクニカル分析とは?

テクニカル分析とは、チャートから過去の価格情報を読み取り、将来の価格の動向を予測する分析方法です。

過去の値動きから可能性の高い動きを統計的に予測し、視覚的にもわかりやすいため投資初心者から上級者まで全てのトレーダーに活用されています。

テクニカル分析は、大きく分けて以下の3つを活用した分析に分類できます。

  • トレンド系インジケーター
  • オシレーター
  • ライン

トレンド系インジケーターを利用したテクニカル分析では、移動平均線や一目均衡表など、相場の方向性を把握できるインジケーターを利用して相場の方向性を分析します。

テクニカル分析で活用されるトレンド系インジケーターとは?具体的な活用方法も解説!

またオシレーターを利用したテクニカル分析では、ストキャスティクスやRSIなど相場の加熱感を判断できるインジケーターを利用します。現在買われすぎなのか、売られすぎなのかの過熱感を把握して相場の反転を狙うために使われます。

テクニカル分析で活用されるオシレーターとは?具体的な活用方法や注意点を解説!

テクニカル分析が意味がないといわれる4つの理由

多くのトレーダーに活用されていますが、Webサイト上やSNS上で以下の4つの理由からテクニカル分析が意味がないといわれることがあります。

  • 相場の値動きはランダム
  • テクニカル分析が機能しない場合がある
  • テクニカル分析が主観的である
  • プロの投資家はテクニカル分析だけで取引していない

それぞれの理由について詳しく解説していきます。

その1:相場の値動きはランダム

1つ目の理由は、相場の値動きはランダムであるといわれているからです。

テクニカル分析では、過去の値動きの統計から将来の値動きを予想します。

しかし値動きはランダムで規則性がないため、過去の価格データと将来の価格変動は関係なく、相場の未来予測はできないとされているのです。

このように相場価格の上昇と下落は同確率であり、相場の値動きはランダムであることは「ランダムウォーク理論」として知られています。

その2:テクニカル分析が機能しない場合がある

2つ目の理由は、相場の状況次第ではテクニカル分析が機能しない場合があるからです。

テクニカル分析は過去の価格情報に基づいた経験則や統計学を用いてチャート分析を行います。

しかし相場では経済や政治状況の変化によって、統計的にはあり得ない値動きが発生することがあります。

このように想定外の動きが発生してしまうと、損失を被る可能性が高く、テクニカル分析には限界があることを理由にテクニカル分析には意味がないといわれています。

その3:テクニカル分析が主観的である

3つ目の理由は、テクニカル分析には論理的な根拠が少なく、主観的な部分が大きいからです。

テクニカル分析におけるチャートパターンや指標の解釈には、個人の判断が必要となります。

しかしャートパターンや指標には数多くの解釈があり、同じ指標を見てもトレーダーによって解釈や判断が異なり、勝率が大きく変わることがあるのです。

このようにテクニカル分析では、チャート上の情報を正しく判断するための経験や感性など、論理的に説明できないスキルが必要とされるため、意味がないといわれています。

その4:プロの投資家はテクニカル分析だけで取引していない

4つ目の理由は、機関投資家など、プロの投資家達がテクニカル分析だけで、取引していないと言われているからです。

多くのプロの投資家達は、ファンダメンタル分析を重視してトレードをしており、テクニカル分析を参考程度にしか見ていないといわれています。

プロ達は主観的な要素が強いテクニカル分析ではなく、論理的な根拠のある再現性の高い手法で運用する必要があるため、テクニカル分析を重要視していないと考えられます。

したがってプロの投資家達がテクニカル分析を重視していないことを理由に、多くの場所で

テクニカル分析は意味がないといわれているのです。

テクニカル分析を活用する4つのメリット

テクニカル分析は、意味がないといわれることもありますが、テクニカル分析を活用することには、以下の4つのメリットもあります。

  • 全てのトレーダーが理解しやすい
  • トレーダーの心理を理解できる
  • リスク管理ができる
  • 勉強がしやすい

それぞれのメリットについて詳しく解説していきます。

メリット1:全てのトレーダーが理解しやすい

1つ目のメリットは、テクニカル分析が全てのトレーダーにとって理解しやすいという点です。

テクニカル分析は、価格や指標の動きをチャート化することで、一目でトレンドや反転のポイントを分析でき、視覚的に分かりやすいという特徴があります。

経済や政治に関するニュースをもとに相場状況を分析するファンダメンタルズ分析などと比べて、特に初心者にとっては手軽に取り組みやすい分析方法なのです。

メリット2:トレーダーの心理を理解できる

2つ目のメリットは、テクニカル分析を利用してトレーダーの心理を理解できる点です。

テクニカル分析は、直観的に利用しやすいため、多くのトレーダーに利用されています。

したがって多くのトレーダーが同じチャートパターンや指標を意識すればするほど、そこに多くのトレーダーの心理が反映されるのです。

相場のトレンドは、上昇や下落に期待するトレーダーの心理に従って発生するため、トレーダーの心理が理解できると、相場で有利に立ち回れます。

メリット3:リスク管理ができる

3つ目のメリットは、リスク管理ができるという点です。

ファンダメンタルズ分析では、相場の動きやすい状況が判断できます。

しかしリスク管理のために損切りや利益確定の位置を実際に決定する際には、高値・安値などチャート上の情報から判断しなければいけません。

特に短期売買などで瞬時の判断が必要となる場合、視覚的に分かりやすいテクニカル分析を利用することでリスク管理がしやすく、トレードの精度を向上させることができます。

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メリット4:勉強がしやすい

4つ目のメリットは、テクニカル分析には情報源が豊富にあり、勉強がしやすいという点です。

テクニカル分析に関する書籍がたくさん出版されており、かつサイト上にも情報が豊富にあります。

また基礎から応用まで、幅広いレベルの情報が掲載されているため、初心者でも簡単に学ぶことが可能です。

テクニカル分析の勉強方法に関しては以下の記事で詳しく解説しているので、参考にしてみてください。

テクニカル分析はどうやって勉強するべき?具体的な勉強方法やコツを解説!

テクニカル分析は意味がないのか?役に立つのか?

テクニカル分析は使い方次第では、非常に有効な相場分析方法です。

相場価格がランダムであり、過去の値動きの情報から将来の値動きを予測することは難しいため、テクニカル分析は意味がないといわれています。

しかし実際は、相場価格はランダムではない部分も存在し、トレーダーの心理がチャートに反映されてトレンドが発生している場面も多く見られるのです。

テクニカル分析では予測できない値動きが時には発生する可能性がありますが、過去の値動きを参考にして、発生する確率が高い値動きを予測することは非常に有効なのです。

テクニカル分析の活用法3選

テクニカル分析は、相場の予測に非常に有効な相場分析方法ですが、正しくテクニカル分析を活用する必要があります。

ここでは、テクニカル分析の活用法に関して、以下の3つについて詳しく解説していきます。

  • 基礎知識をしっかりと身に着ける
  • ファンダメンタル分析と組み合わせる
  • 長期足の分析に利用する

その1:基礎知識をしっかりと身に着ける

テクニカル分析を使いこなすためには、基礎知識をしっかりと身に着けることが欠かせません。

テクニカル分析にはさまざまなチャートパターンや指標があるため、仕組を正しく理解して、使いこなすことが必要です。

さらに、テクニカル分析は常に正確な予測ができるわけではなく、分析方法が適している相場とそうでない相場が存在します。

したがって、過去の価格データを用いて検証を行うことで、テクニカル分析の信頼性や合った分析手法が自分に合っているかを見極めることも重要です。

その2:ファンダメンタル分析と組み合わせる

相場価格の分析方法はファンダメンタル分析とテクニカル分析の大きく2つに分類できます。

それぞれの分析方法は対立したものではなく、お互いに組み合わせることで、より精度の高い相場分析が可能となるのです。

テクニカル分析では予測できない、想定外の価格変動の原因が経済や政治に関するニュースであることが多々あります。

ファンダメンタル分析で経済や政治に関するニュースの影響を分析しておくことで、テクニカル分析では回避できない値動きのリスクも回避できるようになります。

テクニカル分析とファンダメンタル分析の使い方に関しては、以下の記事で詳しく解説しているので、参考にしてみてください。

テクニカル分析とファンダメンタル分析どっちを使うべき?使い分け方を解説!

その3:長期足の分析に利用する

1日、1週間、1か月など、なるべく長期足の分析にテクニカル分析を活用することがオススメです。

分足や時間足などの短期足の分析に利用できないという訳ではありません。

しかし、短期足は長期足と比べてノイズが激しく、チャートパターン通りでない価格変動(だまし)が発生することが多々あります。

テクニカル分析を長期足で利用して、相場の大きな流れを把握し、長期足と短期足のトレンドが重なった部分でトレードを行うという使い方がオススメです。

まとめ

テクニカル分析について、どうしてテクニカル分析が意味がない、役に立たないなどといわれるのか、その理由について詳しく解説しました。

テクニカル分析は、チャートパターンや指標を用いて過去の値動きを自分の経験則や主観に基づいて分析し、将来の相場の動向を予測します。

経験則などの主観的な部分が大きいことや、将来の値動きと過去の動きとは関係のないことなどを理由にテクニカル分析は相場分析で意味がないと言われています。

しかし、テクニカル分析を適切に活用することで、市場のトレンドやポイントを把握し、トレードのタイミングや方向性を決定することができます。

またテクニカル分析を、ファンダメンタル分析などの他の分析手法と組み合わせることで、よりトレードの精度を高められます。

テクニカル分析はトレード初心者でも学びやすい分析方法であるため、トレードスキルを上達したいという方は是非学んでみてはいかがでしょうか。

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